Big Muff 作製しました!
今回は依頼を頂いて作製したBig Muffの紹介です。
ありがたいことに、別々の方から2台同時に依頼を頂きました。
個人的にも以前から作ってみたかったエフェクターだったので、気合い入れて作らせていただきました!
回路を見ているとあることに気づけたので、市販品にはない面白い機能を持たせることが出来たのもポイントですね…!!
Big Muffについて
Big Muffは言わずと知れたビンテージファズの代名詞ではないでしょうか?
古くから存在するこのエフェクターはElectro-Harmonixが発売しました。
長い歴史があるため、Big Muffというエフェクターの中にも様々なモデルが存在しています。
Big Muffの通称で分けると、
- 最初期のモデルの「Triangle」
- 2ndモデルの「Ramb’s Head」
- エレハモロシア時代の「Civil War」
- ロシア時代の2ndモデル「Army Green」
- ディストーション寄りになった「Army Black」
- 現行モデル
の6種類になります。
音で分けるならば、ロシア時代の前後で分かれており、ロシア時代より前がファズ系、ロシア時代以降がディストーション系に分類されるようです。
回路を見ても、ロシア時代の前後で少し異なり、その他はパーツの定数違いのみのようでした。
が、調べていくと同じモデル内にも定数違いが複数存在していまして…
とても時代を感じさせるアバウトさでした…笑
今回は最初の依頼で頂いていた要望がArmy Blackモデルだったため、Army Blackベースに作製しました。
外見
こちらが今回作製したBig Muffの外見になります!
市販品よりつまみやスイッチが増えてます笑
詳細は後述する構成の方で書きますが、回路図を見て気付いてしまったが故に試さずにはいられなかったのです…!!
おかげで内部配線もかなりぎちぎちになってしまいました…笑
今回はアクリルは追加していないので、販売されている塗装済みケースを使用しただけになります。
中身がBig Muffと考えるとこの色はなかなかマッチしてるのではないでしょうか。
構成について
今回作製したBig MuffはArmy Blackモデルがベースになります。
本来であれば、通常通りVolume、TONE、SUSTAINの3ノブなのですが、ちょっと機能を追加しています。
追加機能のこともあって、かなり使いやすいBig Muffが仕上がったと思います。
- モデル切り替え機能
- トーンシフト機能
回路図を見てると、各モデルの違いはロシア時代の前後で大きく異なっていることが分かりました。
ロシア時代の前後で回路の修正が入り、各時代内のモデルはパーツの定数が違っているだけのようです。
そのため、Army Blackモデルをベースに切り替えスイッチをつければ、Civil Warモデル、Army Greenモデルは再現できるのでは?と思いまして。
そこで依頼者様に確認したところ、了承が得られましたのでモデル切り替えスイッチを追加させていただきました。
あくまでArmy Blackモデルをベースに別モデルの雰囲気を足す改造ではありましたが、思ったよりしっかりニュアンスが切り替えることが出来ました。
Big Muffのトーン回路は左に回すと高音域が残り、右に回すと高音域が出やすくなる仕組みになっています。
つまり、Toneノブは高音域をどれくらい残すのかを調整しているものになります。
回路的に言うと、ローパスフィルターとハイパスフィルターを合体したようなものですね。
回路上だとどちらのフィルターも固定値となっているのですが、ロシア時代以降のモデルでも微妙に定数が異なっていました。
Army Blackモデルをベースにしていたのでそれに合わせてもよかったのですが、フィルターの定数を可変にすれば解決するなと思いまして。
こちらも依頼者様に了承を取ってノブを追加することにしました。
この改造によって、ロシア時代の各モデルの定数を再現できるだけでなく、より低音域を残す、高音域を狭めるなどの微調整も可能となりました。
ギャラリー
今回作製した Big Muff の写真はギャラリーにもアップしています。
よければこちらもご覧ください!
Big Muff ギャラリー